メンタルヘルスとうつ病

精神疾患に対する偏見?

ここ日本の医療は世界最高レベルの包括的・効率的なシステムを誇っており、その水準や技術は他に類を見ないほどの高さだと言われています。しかし残念ながら、長い間、精神疾患に対する偏見があったとも言われているのです。

私たちは「自制心」の欠如や、悲しみや不安を抱える精神疾患は、自分ではどうすることもできないものだと考えられてきました。昔は強い意志を持てないことは恥ずべきことだと教えられてきたのです。

メンタルヘルスの問題は、文化や日常生活における考えの中に深く浸透しており、克服するのが難しい問題のひとつでした。セラピーやカウンセリングを受けるという簡単なことでさえ、昔は「頭のおかしい人が行くところ」というイメージがあったのです。 

メンタルヘルス、うつ病、治療に対する考えはどう変化してきたのか

幸い、今の日本ではメンタルヘルス、カウンセリング、心理療法が広く認められるようになってきており、疾患に対する認識もどんどん高まっています。心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、統合失調症、双極性障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などが認識され、正しい治療が受けられるようになってきています。メンタルヘルス関連の治療に関しては、最近政府が補助金を出すようになりました。海外に比べるとここ日本でも遅ればせながら、心の病に苦しむ人々にとって良い方向に一歩前進したと言えるでしょう。

この10年間、日本政府は精神衛生関連の政策や法律を数多く実施してきました。以前の精神衛生関連の政策は、改革の必要がありました。その目標は、精神疾患関連の症状を軽減し、国民全員の全体的な幸福度を高めることです。

不安や抑うつの原因

メンタルヘルス上の問題には、必ずしも原因があるわけではありません(遺伝や化学物質のアンバランスが原因の場合もあります)。しかし、ここ日本ならではの原因もいくつか挙げられるようです。

テクノロジー

経済的に優位に立つには、テクノロジーとイノベーションが必要です。自動車、家電、ロボット、医療機器、映画などの各分野で世界をリードするテクノロジーが不可欠なのです。

テクノロジーによって、仕事、勉強、リラックス、そしてコミュニケーションの手段が大きく変化していきました。携帯電話、コンピュータ、タブレットなどは現代生活に欠かせないものとなっています。

しかし残念ながら、これらのテクノロジーがメンタルヘルスに影響をおよぼしているという事実は否定できません。PS5、ニンテンドースイッチ、iPhoneなど、テクノロジーの可能性が無限に広がる時代に生まれた若い世代の人々は、特にこういった機器への依存が強く見られます。

テクノロジーが人と人のつながりに取って代わるようになり、外出して人と会う機会は減少しました。そのため、不安や悲しみを内に抱える人が増えているように思います。

ここ日本では、メンタルヘルスの治療として心理療法がよく用いられます。日本政府は、メンタルヘルスの向上を支援し、治療方法を改善するための施策を開始しましたが、現実との間にはまだまだギャップがあるようです。